ハングルを作った世宗大王は、最初から驪州(ヨジュ)に葬られていたわけではありません。1450年、ソウル近郊の王妃の陵に合葬されましたが、19年後、朝廷はその地を風水上の凶地と判断し、陵ごと東の南漢江沿い、驪州へ移しました。以来、驪州は「王の町」です。川辺の寺は世宗の菩提寺となり、陵の最寄り駅はいまも「世宗大王陵駅」と名乗っています。

それ以外の驪州は、田畑と川と窯の町です。お米はかつて宮中に献上され、秋には道端のあちこちでサツマイモが売られ、約600の窯元を抱えて隣の利川(イチョン)と並ぶ韓国の二大陶磁器の町でもあります。市に昇格したのは2013年。旅行者にとっては、午前に世界遺産の王陵、午後に川辺の寺と新しい吊り橋、余力があればアウトレット、というちょうどいい日帰り先です。

まず結論から

  • 場所:京畿道東部、南漢江沿い。新盆唐線で板橋へ行き京江線に乗り換え。板橋〜驪州は約48分。
  • 向いている人:朝鮮王朝の歴史、川辺の寺、陶磁器の買い物、韓国初のプレミアム・アウトレット。丸一日あれば十分。
  • 必見:世宗大王と昭憲王后の合葬陵・英陵(大人500ウォン、月曜休み)、そして南漢江沿いの神勒寺。
  • 必食:驪州米の石釜ご飯定食、または天西里マックッス村のピリ辛冷たいそば。

ソウルから驪州への行き方は?

新盆唐線で板橋(パンギョ)まで行き、終点が驪州駅の京江線に乗り換えます。 京江線は2016年開業。国土交通部は板橋〜驪州を48分としており、それ以前はバスで約2時間かかっていました。王陵へ行くなら一つ手前の世宗大王陵駅で降ります。首都圏電鉄なのでT-moneyカードが使えます。

🚆 ソウルから驪州へ(江南駅発)

区間路線所要時間の目安メモ
江南 → 板橋新盆唐線約15分板橋で京江線に乗り換え
板橋 → 世宗大王陵京江線驪州の一つ手前英陵・寧陵へ。陵の入口まではタクシーか路線バス
板橋 → 驪州京江線約48分終点。神勒寺・川辺・アウトレットへはタクシー
驪州 → 原州(延伸)京江線—2024年1月着工、2028年開業予定

板橋で行き先を必ず確認

京江線はすべての列車が終点まで行くわけではありません。京仁日報(2026年4月)によると、平日62本のうち16本は利川の富発(プバル)駅止まり。驪州行きは平日平均で約17分おきですが、富発止まりが続く時間帯は間隔が39分まで空きます。ホームの表示で行き先を確認しましょう。驪州市内は見どころが離れているので、短いタクシー移動を2〜3回見込んでおくと安心です。


驪州は何で有名?

世宗大王陵、お米、サツマイモ、そして陶磁器です。 驪州米は粘りがあって柔らかく、王室に献上された歴史を持ちます。サツマイモ여주 고구마 ヨジュ・コグマは蜂蜜と栗のような甘さで知られます。三つ目の柱が陶磁器。韓国文化情報院の地域祭りデータベースによると、驪州には約600の窯があり、韓国の伝統陶磁器・生活陶磁器の60%を生産しています。驪州陶磁器祭りは1990年から続き、2026年は5月1〜10日に神勒寺観光地で開かれました。

驪州が「王の町」になるまで

  • 1446年:昭憲王后が亡くなり都の近くに葬られる。1450年に世宗も合葬され、王と王妃が一つの墳丘に眠る朝鮮初の陵となる。
  • 1469年:風水上の凶地とされ、陵が驪州へ移される。石像は新たに彫られ、旧い石物は地中に埋められた。
  • 1472年:神勒寺が報恩寺と改称され、世宗の陵の菩提寺に。のちに元の名に戻る。
  • 1673年:孝宗の陵が九里の東九陵から隣の丘へ移され、영릉 寧陵 ニョンヌンとなる。
  • 2009年:二つの陵が「朝鮮王陵」としてユネスコ世界遺産に登録。
  • 2013年:驪州郡が市に昇格。

二つの陵は韓国語ではどちらも영릉 ヨンヌンと書きますが、漢字が違います。そのため英語表記では世宗の英陵をYeongneung、孝宗の寧陵をNyeongneungと書き分けています。


驪州の見どころは?

午前は王陵、午後は神勒寺周辺の川辺へ。寺と陶磁器施設と吊り橋が隣り合っています。 アウトレットは町外れにあり、帰りの電車の前に寄りやすい位置です。

👑
英陵・寧陵
世宗大王と孝宗の陵を森の道が結ぶ。世界遺産。大人500ウォン。
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神勒寺(シルルクサ)
南漢江のほとりに建つ寺。レンガの塔と岩上の東屋。無料。
🌉
南漢江吊り橋
2025年5月開通、全長515mの歩行者専用橋。ガラス床と夜のライトアップ。
🏺
驪州陶磁世上
神勒寺観光地の陶磁器ショップ、ギャラリー、カフェ。入場無料。
🛍️
驪州プレミアム・アウトレット
2007年開業の韓国初のプレミアム・アウトレット。約270ブランド、うちラグジュアリー約60。

英陵・寧陵(英陵路269-10):入口には無料の「世宗大王歴史文化館」があり、世宗、孝宗、朝鮮王陵を紹介する常設展示室が三つあります。松林の道を進むと、王と王妃が一つの墳丘に眠る世宗の陵。「王の森の道」と呼ばれる散策路を歩くと孝宗の陵に着きます。こちらは王の墳丘が王妃の墳丘の上に、同じ尾根に縦に並ぶ珍しい配置です。寧陵入口の祭祀用建物재실 チェシルは、王陵の中で最も保存状態が良いとされます。韓国語の解説ツアーは10:00〜17:00で、驪州観光案内所で予約できます。

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神勒寺(神勒寺キル73):韓国の寺の多くは山奥にありますが、ここは川辺の岩の上に建っています。新羅の元暁の創建と伝わるものの、VisitKoreaは確かな根拠はないとしています。高麗の僧・懶翁(ナオン)が滞在した寺で、境内にはその石の舎利塔が残ります。注目は韓国では珍しいレンガ造りの多層塔で、そこから벽절 ピョクチョル(レンガの寺)とも呼ばれてきました。岩の上の小さな東屋・江月軒からは川の眺めが見事です。本堂は一般的な大雄殿ではなく、極楽往生を願う極楽宝殿。下の川岸からは黄布帆船が出ており、VisitKoreaの情報では大人10,000ウォン、月曜は運航なしです。

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南漢江吊り橋(江門路8-578):2025年5月1日に開通した歩行者専用橋で、神勒寺側と金銀モレ川辺公園を結びます。長さ515m、幅2.5m、主塔の高さ48m。床の一部がガラス張りで、夜はライトアップされます。驪州市長によると、開通1年目で約200万人が訪れました。開放時間は3〜10月が9:00〜18:00、11〜2月が10:00〜17:00で、入場は閉場30分前まで。毎月第1・第3月曜は休みです。Wikitreeは開通1年目は無料で渡れたと報じています。

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驪州陶磁世上(神勒寺キル7):韓国陶磁財団が運営する施設で、神勒寺観光地の入口にあります。ショッピングモールはアート作品、日常の食器、茶器に分かれ、京畿日報(2023年)によると112の窯元が約4,500点を販売。驪州の窯の器を直接買うならここです。隣の京畿生活陶磁美術館では京畿世界陶磁ビエンナーレが開かれます。

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驪州プレミアム・アウトレット(名品路360):新世界サイモンが2007年6月28日に開業した韓国初のプレミアム・アウトレット。オープンエアの街並みに約270ブランド(うちラグジュアリー約60)が並び、2026年は韓国のデザイナーズブランドも増えています。外国人は対象商品で税金還付を受けられます。実際にいくら戻るかは韓国の税金還付ガイドをどうぞ。

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🎫 驪州の観覧案内(VisitKoreaデータ、2025〜2026年更新)

施設開館時間休み料金
英陵・寧陵9:00〜18:00(6〜8月は18:30、11〜1月は17:30まで)、入場は閉館1時間前まで月曜大人500ウォン、駐車無料
世宗大王歴史文化館王陵と同じ月曜無料
神勒寺8:00〜18:00無休無料
驪州陶磁世上10:00〜18:00(入場17:00まで)月曜、1月1日、旧正月・秋夕当日無料(体験は別料金)
驪州プレミアム・アウトレット10:30〜21:00(11〜4月の月〜木は20:30まで)旧正月・秋夕当日—

驪州で地元の人が通う店は?

地元の定番はご飯と麺。町なかの石釜ご飯定食と、渡し舟の客や釣り人を何十年も迎えてきた川辺の天西里(チョンソリ)のマックッスです。 以下の4軒はいずれもVisitKoreaの店舗情報が2025〜2026年に更新されています。価格は掲載がないため記していません。

江界鳳珍マックッス(大神面 天西里キル26):천서리 막국수촌 天西里マックッス村の元祖格の一軒で、30年以上営業。天西里のマックッスはピリッと辛くさっぱりした味が特徴で、スープはキジの出汁にトンチミ(大根の水キムチ)の汁を合わせます。この店は村でいちばん辛く酸味の強いタイプで、ゆで豚の薄切り(ピョニュク)を一緒に頼むのが定番。平日11:00〜19:10、週末は19:30まで。火曜休み。 天西里は町の北西、梨浦洑(イポボ)の近くで鉄道から離れているため、車かタクシーが必要です。

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洪元マックッス(大神面 天西里キル12):江界鳳珍から数軒先にある、二軒のうちマイルドな方。1991年に梨浦大橋ができる前から渡し舟の客や釣り人に麺を出してきた店で、VisitKoreaによると食材の多くを自家栽培しています。冷たいマックッスのほか、冬向けの温かい麺(オンミョン)も。11:00〜20:00、平日は15:30〜17:00が休憩。月曜休みなので、火曜ならこちらへ。

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驪州サルパプチプ(江辺路126):店名は「驪州のご飯屋」。市役所近くの川沿いの道にあります。韓国経済新聞は2026年3月、開業約25年と紹介しました。定食の主役は注文後に炊く驪州米の石釜ご飯(10分ほどかかります)で、おかずがずらりと並び、エイや豚肉の料理も追加できます。驪州には同じ名前の店が多いので、住所で確認を。10:30〜20:30、無休。

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コルグジェンイネ(康川面 江門路707):1993年3月開業。精進料理風の定食で知られ、石釜ご飯に季節のナムル、漬物、どんぐりのチヂミ、豆腐など約20品の小皿が付きます。VisitKoreaによると、精進定食には肉・魚・塩辛、ネギやニンニクなどの五辛、化学調味料を使いません。同行者向けに豚肉の炒め物や松葉蒸し豚もあります。10:00〜20:00、無休。料理の背景は韓国の精進料理ガイドで。

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🍽️ 驪州の地元グルメ早見表(VisitKorea掲載情報、2025〜2026年更新)

店名エリア注文したいもの営業時間休み
江界鳳珍マックッス大神面 天西里辛口マックッス、ピョニュク11:00〜19:10(週末は19:30まで)火曜
洪元マックッス大神面 天西里マックッス、オンミョン11:00〜20:00(平日15:30〜17:00休憩)月曜
驪州サルパプチプ市中心部・江辺路驪州米の石釜ご飯定食10:30〜20:30無休
コルグジェンイネ康川面精進料理風定食10:00〜20:00無休

農産物を見るなら、日付の末尾が5と0の日に市中心部の驪興路11番キル周辺で開く五日市여주장 驪州市場へ。野菜、雑穀、魚、台所用品が並びます。


驪州を一日で回るモデルコースは?

季節と曜日の注意点

  • 月曜:王陵、歴史文化館、陶磁世上、黄布帆船が休み。火〜日曜に行きましょう。
  • 春:5月初めは驪州陶磁器祭りで神勒寺一帯がにぎわいます(2026年は5月1〜10日)。
  • 秋:王陵の森は紅葉で知られ、町の東の中州・康川島(カンチョンソム)はイチョウ並木が見事。収穫祭「五穀ナル祭り」は2026年は10月23〜25日に開催されました。
  • 車があれば:天西里のマックッスと康川島を一周で回れます。レンタカーガイドも参考に。
  • 料金改定の可能性:国家遺産庁は宮殿・王陵の観覧料引き上げを表明していますが、SBS Biz(2026年10月8日)によると時期は未定です。

あわせて読みたい

データと出典

  • VisitKoreaデータ(K-Trip Tips)英陵・寧陵の開館時間・料金・歴史 — https://www.ktriptips.com/kor/tourspot/125573 、https://www.ktriptips.com/eng/tourspot/778679
  • VisitKoreaデータ 世宗大王歴史文化館 — https://www.ktriptips.com/kor/culture/2623238
  • VisitKoreaデータ 神勒寺 — https://www.ktriptips.com/kor/tourspot/128926 /黄布帆船 — https://www.ktriptips.com/kor/tourspot/128046
  • VisitKoreaデータ 南漢江吊り橋 — https://www.ktriptips.com/kor/tourspot/3537123 /韓国経済新聞(2025-04-01)— https://www.hankyung.com/article/202504012067h /Wikitree(2025-05-09)— https://www.wikitree.co.kr/articles/1048431 /京畿日報(2026-02)— https://kyeonggi.com/article/20260204580571
  • VisitKoreaデータ 驪州陶磁世上 — https://www.ktriptips.com/kor/tourspot/1903255 /京畿日報(2023-02-07)— https://www.kyeonggi.com/article/20230207580138
  • VisitKoreaデータ 驪州プレミアム・アウトレット — https://www.ktriptips.com/kor/shopping/690557 /京郷新聞(2026-07-24)— https://www.khan.co.kr/article/202607241501001/
  • YTN(2016)京江線開業、板橋〜驪州48分 — https://www.ytn.co.kr/_ln/0102_201608291041319496
  • 京仁日報(2026-04-04)富発止まりの列車 — https://www.kyeongin.com/article/1761348 /京畿日報(2026-03-23)ダイヤ改正 — https://kyeonggi.com/article/20260323580467
  • 驪州〜原州延伸の予定 — https://itwiki.kr/w/%EA%B2%BD%EA%B0%95%EC%84%A0
  • 韓国文化情報院 驪州の陶磁器と祭りの歴史 — https://ncms.nculture.org/local-festival/tag/byid/11819 /メトロソウル(2026-05-06)2026年陶磁器祭り — https://www.metroseoul.co.kr/article/20260506500175 /iNews24 2026年五穀ナル祭り — https://inews24.com/view/2010469
  • 韓国経済新聞(2026-03-01)驪州旅行特集(驪州サルパプチプを含む)— https://www.hankyung.com/article/202602278826K
  • Wikipedia「Yeoju」(市昇格、米、サツマイモ)— https://en.wikipedia.org/wiki/Yeoju
  • 王陵観覧料改定の動き:Daum/News1(2026-08-05)— https://v.daum.net/v/20260805160024288 /SBS Biz(2026-10-08)— https://biz.sbs.co.kr/amp/article/20000339020
  • 飲食店・市場:VisitKorea掲載情報(K-Trip Tips)、2026年10月閲覧 — https://www.ktriptips.com/kor/food/133184 、https://www.ktriptips.com/kor/food/686189 、https://www.ktriptips.com/kor/food/686211 、https://www.ktriptips.com/kor/food/403767 、https://www.ktriptips.com/kor/tourspot/612541 、https://www.ktriptips.com/kor/shopping/131989 /康川島 — https://www.ktriptips.com/kor/tourspot/3018216