まず結論から

  • 2泊3日のソウル旅程(11区間、70.2km)をすべてタクシーで移動すると122,780ウォン。4人で割れば1人あたり30,695ウォン(約US$21)だ。
  • 同じ旅程を地下鉄で行くと4人合計58,250ウォン。1人あたりの差額は3日間で16,100ウォン —— 1日あたり5,400ウォン程度である。
  • ただし、実際のメーターは距離だけで計算した値より平均28%高くなる。ソウル都心の渋滞による時間料金のためだ。この記事の表はその差を区間ごとに実測している。

ご年配の親を連れて、あるいは子どもを連れてソウルを訪れる旅行者が、いちばん最初にする計算がこれだ。「地下鉄が安いのはわかってる。でも乗り換え通路を歩いて、階段を上り下りしてるうちに一日が終わる。いっそタクシーにしたら、いくら余計にかかるんだろう?」

ソウル市が公示した2026年の現行料率で、実際の2泊3日の旅程を組み、11区間をひとつずつ照会して予想料金を確認した。 料率表をそのまま書き写した記事とここが違う。計算上出るはずの金額と、実際に請求される金額がどれだけ乖離するかを、区間ごとに並べて示した。

122,780ウォン
2泊3日 11区間すべてタクシー(中型)
30,695ウォン
4人で1人あたり3日間の交通費(約US$21)
+28%
距離料金の計算値に対する実際の予想料金(11区間平均)
+16,100ウォン
地下鉄より1人あたり追加支出(3日間合計)

ソウルのタクシー料金はどう計算される?

メーターは3つを足し合わせる。基本料金+距離料金+時間料金だ。このうち旅行者が知らずに戸惑うのが、3つ目である。

📊 ソウル中型タクシー料率(2023.2.1改定、2026年7月現在有効)

時間帯基本料金(1.6kmまで)距離料金時間料金
昼間(04〜22時)4,800ウォン131mごと100ウォン30秒ごと100ウォン
深夜 22〜23時・02〜04時(+20%)5,800ウォン131mごと120ウォン30秒ごと120ウォン
深夜 23〜02時(+40%)6,700ウォン131mごと140ウォン30秒ごと140ウォン

時間料金が加算される条件

タクシーの速度が15.72km/hを下回ると、距離料金と時間料金が同時に加算される。ソウル都心の渋滞区間では、車が止まっているのにメーターが30秒ごと100ウォンずつ上がっていくということだ。旅行系コミュニティで「計算してたより高くついた」という声が繰り返される理由は、すべてこの項目にある。

ここにさらに2つの割増が加わる。深夜割増は22時から04時まで自動適用され、市外割増はソウル市の境界を越えると20%が加算される。両方が重なると最大60%まで跳ね上がる。


2泊3日の旅程、区間ごとにいくらかかる?

明洞に宿をとった4人家族(大人2+シニア1+子ども1)を基準に組んだ。シニアと子どもがいるので、1日の移動を3〜5回に抑え、ひとつのエリアで長く過ごすように動線をまとめた。

表の 「距離料金計算」はソウル市の料率に距離だけを当てはめた値で、「実際の予想料金」は各区間を平日昼間基準で照会した値だ。この2つの数字の差が、すなわち渋滞による時間料金である。

🚕 区間別実測比較 — 中型タクシー、平日昼間基準(2026-07-27確認)

区間距離距離料金計算実際の予想料金
1明洞駅 → 景福宮(光化門)3.9km6,600ウォン8,000ウォン+21%
1景福宮 → 北村韓屋マウル2.2km5,300ウォン5,400ウォン+2%
1北村韓屋マウル → 仁寺洞サムジギル1.0km4,800ウォン4,800ウォン0%
1仁寺洞 → 広蔵市場2.6km5,600ウォン6,100ウォン+9%
1広蔵市場 → 明洞駅2.0km5,200ウォン5,200ウォン0%
2明洞駅 → ロッテワールド(蚕室)15.0km15,100ウォン20,800ウォン+38%
2ロッテワールド → コエックス(三成駅)4.0km6,700ウォン8,000ウォン+19%
2コエックス → 明洞駅11.0km12,000ウォン14,600ウォン+22%
3明洞駅 → 聖水駅7.3km9,200ウォン12,800ウォン+39%
3聖水駅 → 弘大入口駅15.0km15,100ウォン24,600ウォン+63%
3弘大入口駅 → 明洞駅 (22時以降 +20%)6.2km8,400ウォン12,480ウォン
合計70.2km94,000ウォン122,780ウォン+28%

日別では 1日目 29,500ウォン / 2日目 43,400ウォン / 3日目 49,880ウォンだ。

表で見るべきは一番右の列だ。 1〜3kmの都心区間では計算値と実際の料金がほぼ同じ(0〜9%)。一方、10kmを超える区間から差が38〜63%に広がる。 長距離になるほど渋滞区間を通る確率が高いからだ。つまりソウルでタクシー料金の見積もりを間違えるのは、いつも「長い距離」においてなのである。

最も高いミスは何か?

この旅程でいちばん高くついた一発は 聖水駅 → 弘大入口駅、24,600ウォンだった。地図上の距離はロッテワールド行きと同じ15kmなのに、ソウルを東から西へ横断する区間のため渋滞による時間料金が上乗せされ、計算値より63%も高くなった。

🚇 同じ区間、違う選択(聖水駅 → 弘大入口駅)

移動方法4人料金所要時間乗り換え
タクシー24,600ウォン40分前後(渋滞時はさらに)なし
地下鉄2号線5,550ウォン約25分なし

乗り換えもなく階段もほぼないのに、4.4倍安くて速い。 シニア連れでも、この区間だけは地下鉄が正解だ。ソウルで地下鉄がタクシーを圧倒する条件は明確である —— 漢江(ハンガン)に沿って東西に長く移動し、乗り換えがないときだ。


地下鉄で行くといくら浮く?

同じ旅程を地下鉄で移動した場合を計算した。大人3人(シニア含む)と子ども1人が基準だ。

💳 3日間総額比較 — 同じ11区間、4人家族

移動手段4人・3日合計1人あたりタクシーとの差額(1人あたり)
タクシー(中型)のみ122,780ウォン30,695ウォン
地下鉄(交通カード)58,250ウォン14,560ウォン+16,130ウォン
気候同行カード短期券 3日券40,000ウォン10,000ウォン+20,690ウォン

3日間ずっとタクシーだけを使った代償が 1人あたり16,130ウォン、1日5,400ウォン程度だ。ベビーカーを畳んだり広げたり、乗り換え通路を400m歩いたり、エレベーターのない出口に出くわしたりするリスクを、この金額で買っている計算になる。

人数がすべて

  • 4人 — 1人あたり30,695ウォン。タクシーが十分合理的だ。
  • 3人 — 1人あたり40,926ウォン。長距離だけタクシーを混ぜる価値がある。
  • 2人 — 1人あたり61,390ウォン。地下鉄の4倍を超える。
  • 1人 — 122,780ウォンを全額負担。地下鉄一択だ。

2026年8月以降に変わること

ソウル市の定額乗り放題パスである気候同行カード30日券は、2026年9月1日付で運用を終了する(政府の「みんなのカード」へ一本化)。ただし、旅行者が使う短期券(1・2・3・5・7日券)はそのまま維持される。3日券10,000ウォン、5日券15,000ウォン、7日券20,000ウォンで、ソウル市内でのみ利用可能だ。


シニア・子ども連れなら絶対に知っておくべきこと

数字だけでは見えない落とし穴がいくつかある。

荷物があると4人乗れない

一般中型タクシーの定員は運転手を除いて4人だ。問題はトランクである。20インチ以上のスーツケースが2個を超えると、3人目からは膝に荷物を抱えて乗るしかない。 到着日・出発日のように荷物を持って移動する日は、最初から大型ワゴンタクシー(最大5人)を呼ぶのが確実だ。荷物が多いと乗車を拒否され、路上でまた捕まえる羽目になるのがいちばん疲れる。

外国人シニアは地下鉄無賃の対象外

韓国の65歳以上の地下鉄無賃乗車は、住民登録に基づく優待用交通カードで運営されている。観光で入国した外国人高齢者は対象外で、一般料金を支払う。上の計算でシニアを大人料金にした理由だ。

南山ソウルタワーはタクシーで上がれない

南山循環路(国立劇場〜ソウルタワー〜南山図書館)は2005年から一般車両の通行が全面禁止されている。タクシーも含まれる。頂上までは南山循環バスかケーブルカーを利用する必要がある。 ただし、障害者登録証を掲示した車両と、歩行が困難な高齢者を乗せた車両は例外的に通行が許可される。

貸切料金制度は待ち時間が長いときにだけ有利

ソウル市はタクシーの貸切料金制度も公示している。中型タクシー8時間160,000ウォン、1日240,000ウォンだ。上の旅程で最も高い3日目のメーター料金が49,880ウォンであることを考えれば、一般的な観光日程ではメーターのほうが圧倒的に安い。 貸切が有利になるのは、近郊(加平・坡州など)を回る場合や、ドライバーが何時間も待機する必要がある場合だ。


夜に乗るといくら高くなる?

深夜割増は体感が大きい。弘大で夕食をとり、明洞の宿に戻る6.2km区間を例にとるとこうなる。

10,400ウォン
昼間(04〜22時)
12,480ウォン
22〜23時・02〜04時(+20%)
14,560ウォン
23時〜深夜2時(+40%)

23時を過ぎると同じ距離で4,000ウォン以上多く払うことになる。シニア・子ども連れの旅程なら夜遅くまで出歩くことは少ないので大きな変数ではないが、22時の前後5分の差で2,000ウォンが変わることは知っておいて損はない。

タクシーに乗るときの実践Tips

  • 目的地は韓国語の地図画面で見せる。英語の発音で伝えると、名前が似ている別の場所に行かれることがよくある。
  • カード決済は全車両で可能。現金を用意する必要はなく、海外発行カードもほぼ使える。
  • チップ文化はない。メーターの金額だけ払えばいい。
  • メーターを倒さず定額を要求するのは違法だ。とくに観光地の前で待機している車両に注意。
  • 領収書をもらっておく。荷物を置き忘れたとき、車両番号が唯一の手がかりになる。

結局、タクシーに乗るべきか、乗らざるべきか?

最も安上がりなのは「使い分け」だ。 都心(明洞・鐘路・北村・仁寺洞)は区間が1〜3kmで計算値と実際の料金がほぼ同じ、4人なら地下鉄料金とも大差ない —— ここでタクシーをケチる理由はない。逆に10kmを超える長距離は、実際の料金が計算値より38〜63%跳ね上がる。 この区間だけ地下鉄に切り替えれば、3日間の交通費が4人合計7万ウォン台に収まる。

整理するとこうだ。短く頻繁な移動はタクシー、長くまっすぐな移動は地下鉄。 シニアと子どもを連れての旅行では、この原則ひとつで体力と予算を同時に守れる。

データと出典

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