韓国でペット産業を一文で説明するとこうなる。人が使うサービスは犬も使う。
トリミングサロンがあり、幼稚園があり、ホテルがあり、写真館がある。専用タクシーが走り、プールがあり、葬儀場がある。冗談ではなく業種のリストだ。
まず結論から
- 市場規模は8.5兆ウォン(2022)→ 21兆ウォン(2032見込み)。政府目標は2027年に15兆ウォンだ。
- 月の飼育費は調査によって12万1千ウォンまたは19万4千ウォン。どちらも公式調査だ。
- 政府が4大主力分野に指定した — ペットフード・ペットヘルスケア・ペットサービス・ペットテック。
数字で見る市場
なぜ飼育費の統計が二つあるのか
農林畜産食品部の調査は月12万1千ウォン、KB金融持株の調査は月19万4千ウォンと出る。7万ウォンの差は誤りではなく定義の差だ。調査対象(全飼育世帯 vs 特定の標本)、含まれる項目(病院代・トリミング代の含み方)、基準時点がそれぞれ異なる。
記事で韓国の飼育費の数字がまちまちな理由がこれだ。数字を引用するときは、どの調査かまで一緒に見るべきだ。
お金はどこへ行くのか
💸 月の飼育費の構成(KB 2025韓国ペット報告書)
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| フード | 35.1% |
| おやつ・栄養剤 | 22.5% |
| 衛生用品 | 10.6% |
| トリミング | 8.7% |
| その他 | 残り |
この表から韓国市場の性格が浮かび上がる。**おやつと栄養剤が22.5%だ。フードの3分の2に近いお金が必須でない項目に入る。そしてトリミングが別項目として8.7%**を占める。この二つの行が「ペットのヒューマナイゼーション」という言葉が実際に意味するところだ。
動物種別では犬が月16万1千ウォン、猫が14万2千ウォンだ。犬の方が高い理由はほとんどトリミングのためだ。マルチーズとプードルが上位犬種の国で、トリミングは選択ではなく定期的な支出だ。
どんなサービスが実際にあるのか
価格を事前に知りにくい理由
動物病院の診療費は政府が調査して公開するが、トリミング・幼稚園・ホテルにはそうした統計がない。 犬種・体重・毛の状態・地域によって見積もりが変わり、業者ごとに含まれる項目も違う。実際の金額は訪問前に電話や予約アプリで確認するのが唯一の方法だ。
政府が産業に指定した
2023年、農林畜産食品部はペット関連産業の育成対策を打ち出し、市場を2027年までに15兆ウォン規模に育てると明らかにした。ペットを福祉・規制の対象としてだけでなく、輸出産業として扱い始めた転換点だ。
🏭 4大主力分野
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| ペットフード | 輸出拡大 — 1.49億ドル → 2027年に5億ドル目標 |
| ペットヘルスケア | 頻度の高い診療100余項目の付加税免除(2023.10) |
| ペットサービス | ペット行動指導士制度の導入(2024.4)、動物保健士制度の整備 |
| ペットテック | スタートアップの資金・販路支援、AI開発用データ共有の拡大 |
旅行者が実際に直面する場面
韓国で見ることになるもの
- 犬用ベビーカー — 延南洞・聖水洞(ソンスドン)のカフェ通りで30分以内に必ず見る。2023年に乳幼児用ベビーカーの販売台数を初めて抜いた、あの品物だ。
- トリミングされた犬 — 韓国の小型犬は大半が定期的にトリミングを受ける。毛のスタイルが一定に見えるのは偶然ではない。
- 同伴可能な店 — 入口に肉球の形のステッカーや「ペット同伴可能」の表示が付いている。表示がなければ同伴不可と見るのが安全だ。
- 預けたいなら — ペットホテル・幼稚園が短期の預かりを受けるが、予防接種の証明を求め、繁忙期には早く締め切られる。
韓国ペット産業の成長曲線は、出生率の曲線と鏡のように噛み合っている。乳幼児用品市場から抜けたお金がそのままこちらへ入ってきたという分析が続く。ソウルで犬用ベビーカーを初めて見た外国人が感じる違和感は、実は韓国の人口構造を目撃していることに近い。
データと出典
- サムジョンKPMG経済研究院 — 国内ペット市場8.5兆ウォン(2022)→ 21兆ウォン(2032見込み)、ペット数635万(2018)→ 799万(2022)
- 農林畜産食品部「ペット関連産業育成対策」(2023.8) — 2027年15兆ウォン目標、4大主力分野、ペットフード輸出1.49億ドル → 5億ドル、行動指導士制度(2024.4)、頻度の高い診療の付加税免除(2023.10)
- KB金融持株経営研究所「2025韓国ペット報告書」 — 月の飼育費19万4千ウォン(+26%)、犬16万1千ウォン・猫14万2千ウォン、構成比(フード35.1%・おやつ・栄養剤22.5%・衛生用品10.6%・トリミング8.7%)
- 農林畜産食品部「2025年ペット飼育現況調査」 — 月の飼育費12万1千ウォン
- トリミング・幼稚園・ホテルなどのサービス価格は公式統計が存在しない