まず結論から

  • 2026年(1〜10月)の最高視聴率ドラマはSBS『キム部長』。ニールセンコリア全国世帯で第8話23.1%、全10話平均19.8%。
  • いま放送中の作品のトップはSBS『ドクターX:白いマフィアの時代』で、10月24日放送分が全国19.5%。
  • 1990年代の記録は60%台。測り方が違うので単純比較はできないが、2026年に始まったドラマで20%を超えたのは『キム部長』だけ。
  • 韓国ギャラップ7月調査で『キム部長』は18.9%。2013年の調査開始以来、全番組で最高の支持率だった。

韓国の芸能ニュースを読むと「自己最高9.5%」「視聴率20%突破」といった数字が必ず出てきます。でもNetflixで韓ドラを見ている側からすると、それが高いのか低いのか、まずピンとこないですよね。

そこで2026年10月時点の数字だけを集めました。今年いちばん見られたドラマ、歴代記録との距離、チャンネルごとに何%ならヒットなのか、そして시청률(シチョンニュル=視聴率)を誰がどう測っているのかまで。

23.1%
『キム部長』第8話の全国世帯視聴率、2026年の最高(ニールセンコリア)
19.5%
『ドクターX』10月24日の全国視聴率、放送中作品の最高(ニールセンコリア)
18.9%
『キム部長』韓国ギャラップ7月の支持率、2013年以来の最高
3週
『キム部長』Netflixグローバル非英語TV部門1位の期間

2026年、視聴率1位の韓国ドラマは?

SBS金土ドラマ『キム部長』(김부장)です。第8話(7月18日)がニールセンコリアの全国世帯視聴率23.1%を記録し、今年放送されたドラマの中で最高でした。ソウル基準では23.6%。2番手との差も大きく、2025年に始まり1月に終わったKBS2週末ドラマ『華麗なる日々』(화려한 날들)が最終回20.5%、放送中の『ドクターX』が19.5%です。

2026年放送ドラマの最高視聴率トップ10(ニールセンコリア全国、2026年10月25日時点):キム部長23.1%、華麗なる日々20.5%、ドクターX 19.5%、愛を処方いたします18.0%、愛がやってくる16.7%、21世紀の大君夫人13.8%、判事イ・ハニョン13.6%、新入社員カン会長13.6%、アンダーカバー・ミス・ホン12.4%、素晴らしき新世界11.8%

10本のうち8本が地上波。ケーブル・総合編成チャンネルではJTBC『新入社員カン会長』(最終回13.6%)とtvN『アンダーカバー・ミス・ホン』(最終第16話12.4%)がトップでした。この2本は有料放送加入世帯が母数なので、地上波の数字とはベースが少し違います。

このリストには注意点が3つあります。

『キム部長』と『ドクターX』の主演俳優の話題性は、2026年の人気韓国俳優で別にまとめています。


『キム部長』はどうやって23%まで伸びた?

初回9.5%から第2話で15.7%、第4話で21.6%に到達しました。マネートゥデイが伝えたニールセンコリアの話数別全国視聴率です。第4話の21.6%は、その時点で2026年の全ドラマ(ミニシリーズ・週末・連続ドラマ含む)の最高でした。

『キム部長』話数別の全国世帯視聴率(ニールセンコリア):第1話9.5%、第2話15.7%、第3話18.8%、第4話21.6%、第5話20.5%、第6話22.3%、第7話21.9%、第8話23.1%、第9話21.5%、第10話23.0%

第4話から最終回まで、一度も20%を割っていません。最終第10話(7月25日)は全国23.0%、首都圏23.4%。見出しでよく見かける27.1%は、この回の순간 최고(瞬間最高)視聴率で、分単位の最高値です。回の平均とは別物なので注意。

原作は同名のウェブトゥーン。ソ・ジソプが北朝鮮の特殊工作員出身のシングルファーザーを演じました(韓国ギャラップ7月レポートの要約より)。テレビの外でも数字は大きく伸びています。

韓国ギャラップ2026年7月調査(7月21〜23日、1,003人):「最近いちばん好んで見ている番組」に『キム部長』を挙げた人は18.9%。2013年1月の調査開始以来、全チャンネル・全ジャンルを通じて最高です。それまでの1・2位は『財閥家の末息子』16.6%(2022年12月)、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』16.4%(2022年8月)。この調査で10%を超えたドラマは13年間で14本しかありません。

歴代でいちばん視聴率が高い韓国ドラマは?

当時の報道ベースでは、1990年代のドラマが60%台を記録しています。よく挙がるのはKBS2『初恋』最終回(1997年4月20日)の65.8%と、SBS『砂時計』(1995年)の64.5%。『砂時計』は放送時間になると街から人が消え、「帰宅時計」と呼ばれたほどです。

とはいえ、この数字をそのまま比べるのは禁物。1990年代の値は調査会社も方式も今と違う時代のもので、ここに挙げた数値もWikipediaが当時の報道を引用したものです。同じ時代でも調査会社によって値がずれました。2010年の『製パン王キム・タック』第30話はTNmSで50.8%、ニールセンで49.3%でした。

各時代の代表作の最高視聴率:初恋(1997年)65.8%、宮廷女官チャングムの誓い(2004年)57.1%、朱蒙(2007年)51.9%、製パン王キム・タック(2010年)49.3%、黄金の私の人生(2018年)45.1%、紳士とお嬢さん(2022年)38.2%、キム部長(2026年)23.1%。2010年以前は調査方式が異なり単純比較できない

方式の違いを差し引いても、流れははっきりしています。2010年以降のニールセンコリアの数字だけで見ても、『製パン王キム・タック』49.3%、2018年『黄金の私の人生』45.1%、2022年『紳士とお嬢さん』38.2%、そして2026年『キム部長』23.1%と下がってきました。

地上波以外(ケーブル・総合編成・ENA)の記録は別枠で見ます。有料放送加入世帯が基準なので、数字をそのまま並べられないからです。以下はWikipediaがまとめたニールセンコリアの数値です。

📺 地上波以外のドラマ歴代最高視聴率(ニールセンコリア全国・有料放送世帯、Wikipediaまとめ)

ドラマチャンネル放送年最高視聴率(話数)
夫婦の世界JTBC202028.4%(第16話)
財閥家の末息子JTBC202226.9%(第16話)
涙の女王tvN202424.9%(第16話)
SKYキャッスルJTBC201923.8%(第20話)
愛の不時着tvN202021.7%(第16話)
ウ・ヨンウ弁護士は天才肌ENA202217.5%(最終回)

『涙の女王』はtvN歴代1位、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』はENA歴代1位。映画の歴代記録は韓国映画の歴代興行ランキングにまとめました。

視聴率が下がった理由をひとつの数字で証明するのは難しいものの、韓国ギャラップ自身の変化がヒントになります。ギャラップは2023年から調査対象を「テレビ番組」から「テレビとオンライン動画サービスの番組」に広げ、その理由としてオンライン動画サービス利用者の急増を挙げました。ギャラップの調査では、OTTの年間利用率は2019年の25%から2025年には67%に。韓国の人が何で何を見ているかは韓国人が見ているOTTとテレビで紹介しています。


韓国ドラマ、いまは視聴率何%ならヒット?

チャンネルと放送枠によって、基準がまったく違います。地上波ミニシリーズなら2桁でヒット、20%を超えれば「シンドローム」と呼ばれます。ケーブルは5%でその日のケーブル首位圏、10%に近ければヒット作。2026年の実際の数字で整理するとこうなります。

📊 2026年 チャンネル・枠別の視聴率の目安(ニールセンコリア全国、ケーブル・総合編成は有料放送世帯)

放送枠2026年の例視聴率意味
地上波 金土ミニシリーズドクターX 第1話(10月9日)11.4%2026年ミニシリーズ初回最高(Soompi)
地上波 金土ミニシリーズキム部長 第8話(7月18日)23.1%SBS金土ドラマ歴代2位(Soompi)
地上波 週末ドラマ(KBS2)愛を処方いたします 第11話18.0%最高値、「20%届かず」と報道(ニュース1)
地上波 連続ドラマ(KBS1)母さんが狂った(10月27日)8.7%その日の地上波全体1位(ニールセン公式、13地域)
ケーブル 月火ドラマ(tvN)私の有罪人間(10月27日)約6.0%その日のケーブル全体1位(ニールセン公式)
ケーブル 週末ドラマ(tvN)100日の嘘(10月25日)9.5%自己最高
総合編成チャンネルの新作ファイナル・テーブル/君にダイブ1.9〜2.4%/0.2〜1.3%10月24〜25日放送分

地上波の週末ドラマは「底」が高いのが特徴です。Soompiによると『愛がやってくる』は放送期間のほぼ毎週日曜に全番組1位で、14〜17%台を行き来しました。逆に総合編成チャンネルの新作は1〜2%台が珍しくありません。同じ10%でも、KBS2週末ドラマなら不振、tvN週末ドラマなら大ヒットというわけです。

背景

記事によく出る2049 시청률(2049視聴率)は20〜49歳の個人視聴率で、世帯視聴率と並べて報じられます。『キム部長』最終回は2049の瞬間最高が8.42%、『ドクターX』第4話は2049平均5.9%でした。

チャンネルごとの違いは、このシリーズの韓国のテレビチャンネルのしくみで詳しく解説します。


韓国のテレビ視聴率はどうやって測る?

業界標準はニールセンコリアです。報道の大半が「ニールセンコリア全国世帯基準」と表記しています。ニールセンコリア公式サイトの説明は次のとおり。

見出しの大きな数字はたいてい瞬間最高視聴率。『判事イ・ハニョン』第13話も平均は13.6%でしたが、瞬間最高は17.4%でした。平均か瞬間最高か、全国か首都圏かを先に確認すると、数字を読み違えにくくなります。

Netflixなど動画配信サービスでの視聴は、一般的にこのテレビ視聴率には入りません。配信の成績は各サービスが公表するデータで別に見ます。


いま韓国でいちばん人気の番組は?

2026年10月の韓国ギャラップ調査で1位は『ドクターX』(9.8%)です。視聴率が「その時間にテレビで見た人」を測るのに対し、韓国ギャラップは毎月、全国の18歳以上約1,000人に電話で「最近いちばん好んで見ている番組」を2つまで尋ねています。2023年からはNetflix作品も回答できます。

韓国ギャラップ2026年の「最近いちばん好きな番組」月間1位:3月ミストロット4 4.6%、4月ミストロット4 2.9%、5月21世紀の大君夫人5.1%、6月Teach You a Lesson 10.7%、7月キム部長18.9%、8月キム部長6.2%、9月愛がやってくる4.9%、10月ドクターX 9.8%

『キム部長』は放送終了後の8月も1位でした。6月1位の『Teach You a Lesson』(참교육)はNetflix作品で、テレビ視聴率は存在しないのに1位になっています。2月は旧正月の連休と冬季五輪のため調査なし。10月の『ドクターX』9.8%は、ギャラップ1位になったSBS作品7本の中で『キム部長』18.9%、『星から来たあなた』11.5%に次ぐ3番目の高さです。10月の2位は『100日の嘘』(4.0%)、3位は『愛がやってくる』(3.8%)でした。


ソウルで実際にできること

今年のヒットドラマをソウルで楽しむ方法は、宿のテレビ、Netflix、そしてロケ地の3つです。

実用メモ

  • 韓国記事の視聴率は「全国か首都圏か」「平均か瞬間最高か」をまずチェック。同じ回でも平均と瞬間最高が4ポイント以上離れることがあります(『キム部長』最終回は23.0%と27.1%)。
  • 2026年作品のロケ地の公式確認は、ソウル施設公団が2026年の年間撮影記録を公開してからになります。ファンブログの情報は現地で変わっていることも。
  • Netflixで見られる作品は接続する国によって違います。韓国に着いたらラインナップが変わっていても不思議ではありません。

データと出典